サプリメント

サプリメントとか栄養補助食品って効果あるの?

『膝が痛いのだけど、軟骨を飲んだらなおりますか?』

新聞広告や、最近はぼんやりテレビを見ているといつの間にかサプリの宣伝だった。
なんて、普段の生活の中でよく聞く、サプリメントとか栄養補助食品なるモノ。
とてもなじみの深いものになっていますが効果ってどうなのでしょうか。

病院で働いていた時、この質問に僕は必ずこう答えていました。

『膝の軟骨を食べて膝の軟骨ができるなら、私の背中にはそろそろ羽がはえてきますよ。』

僕は唐揚げが大好きで、毎日食べていましたから。
当然今でも、羽は生えていません

現代人が手軽に不安と戦う為の武器として必要とされているのか?

サプリメントとか栄養補助食品というものが巷にあふれかえっています。
飽食の時代、よほどの偏食家でない限り、栄養が足りない。なんてシチュエーションが思いつきませんが。

逆に言えば現代人は何か、見えない不安と日々戦っているのでしょう。
自分には何か足りていないのではないだろうか?
本当に大丈夫だろうか?
なんて、日々自問自答しているのでは。

一方で明らかに健康に悪そうな事を平気でやってみたりします。
ダイエットです。
これから夏に向けて。なんて人も多いのでは?
炭水化物や糖質を制限してみたり、絶食してみたり。
はては、怪しげな薬を服用する、寄生虫を飼うなどというのもありましたね。
自分は太っている。もっと痩せなきゃ。
見えない不安と日々戦うのです。

栄養補助食品っていったい何なの?

ところで栄養補助食品って何だろう?
実はサプリメントは日本では法律的や行政的な定義が存在しないものなのです。
厚生労働省では「特定成分が凝縮された錠剤やカプセル形態の製品」と定義して食品に分類される健康食品とは分けているが、広い意味ではサプリメントも健康食品の一つと分類しています。

ところで消化吸収の仕組み覚えていますか?

あ、なんか習ったかも。
まず食べ物を口にいれて、歯で噛んで小さくして、、、。

唾液が、、、酵素が、、、。

例えば、デンプンは?
唾液に含まれる酵素アミラーゼによって麦芽糖(マルトース)に分解され、さらにマルターゼによってグルコースにまで分解され吸収されます。。
サトウキビなどに含まれるスクロース(ショ糖)はグルコースとフルクトースに分解されます。

動物の乳などに含まれるラクトース(乳糖)は酵素ラクターゼによってグルコースとガラクトースに分解されます

それでは、タンパク質はどうでしょうか。

タンパク質は、まず胃でペプシンという消化酵素によってペプトンに分解されます。

ペプトンは、十二指腸ですい液に含まれるトリプシンという消化酵素によって、ポリペプチドに分解されます。

ポリペプチドは、小腸でペプチターゼという消化酵素によってアミノ酸に分解されます。

アミノ酸は、小腸で吸収されて体内に取り込まれます。

例えば体内でタンパク質が必要な場合。
取り込まれたアミノ酸を原料に新たに合成されます

つまり複雑な構造のものをいくら食べても、簡単な構造のものに分解してから吸収されます。

ところでヒアルロン酸とかコンドロイチンって具体的には何?

ヒアルロン酸:
N-アセチルグルコサミンとグルクロン酸 (GlcNAcβ1-4GlcAβ1-3) の二糖が連結した構造をしている。極めて高分子量であり、分子量は100万以上になる。
コンドロイチン硫酸:
D-グルクロン酸 (GlcA) と N-アセチル-D-ガラクトサミン (GalNAc) の2糖が反復する糖鎖に、硫酸が結合した構造をしている。この「GlcA-GalNAc」2糖単位の中で硫酸基の付加やエピ化(GlcA からイズロン酸)で構造の著しい多様性をもつ。

訳が分かりません(汗)
簡単に書くと、ムコ多糖類といって、とても複雑なものです。
つまり、体内に吸収される際に、単純な構造のものに分解されてから吸収されるということです。

おいしいモノを食べましょう。

体内で何か合成しようとした時に、原料が無ければ作れません。
ですが、合成しようとした時にそのものを食べる必要はないのです。

中国に同物同治(どうぶつどうち)という言葉があります。
これは体内の悪い部分を治すには、悪い部分と同じものを食べると効き目があるよ、という考え方です。
似たような考えを持つ文化は他にもあります。
非常にシンプルで、納得しやすい考え方なのでしょう。

お金がたくさんある方は、試してみるのもよいかもしれません。
しかし、ただ錠剤を呑むのであれば、
僕なら同じ金額でおいしいものを食べたほうが良いような気がします。