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屋根より高い、鯉のぼり。英語でいうとcarp-shaped streamer
あちこちで鯉のぼりが上がっていますが。
『コイ』が国際自然保護連盟の示す侵略的外来種ワースト100の中に挙げられているのをご存知でしょうか?
外来種は身近にたくさんいます。その数は日本国内になんと2000種を超えると言われています。たとえば、子供の頃捕まえたどこにでもいるアメリカザリガニなどが外国産の動物です。
コイ:Cyprinus carpio、コイ目・コイ科
フナに似ていますが、体に対して頭や目が小さく、口元には2対4本のひげがあります。
BOD値の高い比較的流れが緩やかな川や池、沼、用水路などを好んで住処としており、低酸素環境に高い耐性をもつので水質の悪い水域にも住むことができます。大きく育ち目立つので、見栄えが良いため、よく放流されています。
川や、お城のお堀などにも、ものすごく大きく育ったコイがいますよね。
体長は60cm~1m以上になる個体もいます。
寿命はとても長く25~70年。岐阜県東白川村で飼われていた「花子」と呼ばれる緋鯉はなんと226年もいきたそうです。
魚の年齢ってどうやって調べるの?
飼育下にある個体ならわかるのですが、野生の個体の寿命はどうやって調べるのでしょうか。
鱗や耳石、背骨、ひれすじを等を調べて、年齢を推測します。
例えば鱗ですと、成長と共に年輪ができるのでそれを数えます。ただしこの年輪は、生活環境の変化によってできるモノなので、季節の変化がある環境下でしか使えません。
何を食べているの?
観光地で、コイの餌として『麩』がおいてあったりしますが、自然界ではどんなモノを食べているのでしょうか?
なんでも食べます。
口は開くと下を向いて、水底の餌を吸い込んで食べるのに適した形状になっています。
さらに、のどに咽頭歯という器官があって、硬い貝でも殻を砕いて食べることができます。
どうやって増えるの。
4~6月頃に産卵を行います。ちょうど今位ですね。
浅瀬に集まり水草に付着性の卵を産みます。その数は一度に50万~60万個。数日で孵化し、成長と共に深場に移動していきます。
水質が悪くても平気。何でも食べ、さらに大きく天敵が少ない。
こうなると、どこでも生活できますし、もともと居る在来種の生態を脅かすのに十分です。
日本や中国ではコイを食べる文化がありますが、北アメリカでは、泥臭い匂いが敬遠され食用とされない為に、かなりの勢いで増加しているそうです。
春になると、あちこちで泳ぎ回る鯉のぼり。
日本のみならず海外でも、コイは水陸問わず、その生活圏を増やし続けているのです。