震度の基準値は?液状化ってどんな状態?【ニュースのキーワード】

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ニュースに流れる言葉の解説(備忘録)

気象庁により6回目の震度7を記録した、北海道胆振東部地震。気象官署の観測点での震度7の観測は初めての事となりました。

震度7はどの位の揺れなのか?

地震があると、地震速報等でも流れる『震度』どの位揺れるとどの位の表示になるのでしょうか?
震度は0、1、2、3、4、5弱、5強、6弱、6強、7、の10段階に分かれています。

1996年頃まで、震度は気象台の職員等観測員自身の体感、建物等の被害状況を指針に当てはめて震度を決定していたので客観的な制度、発表までの時間等の問題がありました。
その後計測器の普及、観測点を増やすなどすることで、現在では客観的な震度の決定表示が迅速にできるようになりました。
震度7の基準は、1948年の福井地震の後、地震による被害を当時の最高震度だった震度6では適切に表現できないのではないということで、1949年の1月の「気象庁震度階」の改訂により新たに設けられました。
震度7が実際に適応されたのは、1995年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)となりました。

各震度と、状態は下記のようになっています。

震度0:地震計には検知されるが、人は揺れを感じない状態。
震度1:地震や揺れに敏感な一部の人が気づく状態。めまいと錯覚する。
震度2:多くの人が地震に気付き、一部の睡眠中の人が目を覚ます。電灯の吊り紐が数cm程度揺れる状態
震度3:ほとんどの人が揺れを感じ、揺れの時間が長く続くと不安や恐怖を感じる人が出る。
重ねた食器が揺れで音を立てる状態。電線が揺れる。
震度4:ほとんどの人が恐怖を感じ、身の安全を図ろうとし始める。
睡眠中のほとんどの人が目を覚ます。
吊り下げた物が大きく揺れる。
近接した食器同士がずれて音を立てる。
重心の高い置物等が倒れることがある。
震度5弱:歩行に支障が出始め、ほとんどの人が恐怖を感じて、身の安全を図ろうとする。
吊り下げられた物の多くが大きく揺れる。
重心の高い書籍が本棚から落下する。
震度5強:殆どの人が恐怖を感じ行動を中断する状態、。
棚の中にあるものや、テレビがテレビ台から落ちることもある。窓ガラスが割れたり補強されていないブロック塀が破損する。戸が外れたり、開閉できなくなることもある。
震度6弱:立っていることが困難となり、固定していない家具が動いたり倒れたりする。多くの建物のガラスが割れたり、タイルが剥がれ落ちたりする。耐震性の低い建物は倒壊することもある状態。
震度6強;立っていることはできず、這わないと移動できない状態。補強していないブロック塀は殆ど倒れる。
ガス管や水道管に被害が出ることがある。都市ガス会社では各ガバナーステーションへの遠隔操作により供給を停止する。
震度7:落下物や揺れに翻弄され、自由意思で行動できない。
ほとんどの家具が揺れにあわせて移動し、重い家具が跳ねて飛ぶこともある。
耐震性の高い住宅・建物でも、傾いたり、大きく破壊されるものがある。
電気・ガス・水道等の主要ライフラインの供給が停止する。
多くの道路の表装がめくれ、通行が困難になる。
鉄道・高速道路等の広域交通機関が破壊される。
大きな地割れが生じる。
地すべり・山崩れが発生する。
地表部の隆起・沈降等で地形が変形する。

震度7だと、動くこともままならない状態になってしまいますので、家具の固定など普段からの備えが身の安全を左右する事態となってしまいますね。

液状化現象はどんな状態だろう?

大きな地震があるとニュースで良く聞くのが『液状化現象』ですね。
一言でいうと『地面が柔らかくなる』状態です。

日本で液状化現象が注目されたのは1964年6月16日の新潟地震でした。
新潟市内で広範囲に液状化が発生し、信濃川沿いにある4階建てのアパートが土台等はそのままの状態で転倒、傾斜したり、信濃川にかかる昭和大橋が落橋するなどの被害がでました。
1995年1月17日に起こった兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)においてもポートアイランド・六甲アイランドなどの埋立地や沿岸部を中心に液状化による大きな被害がありました。

自分たちが踏みしめている、固い地面が柔らかくなる、と言われてもピンときませんが、動画サイトなどで液状化の実験や、実際の動画を見る事ができます。

液状化のメカニズム。

地面の土壌をつくる粒子は隙間がある状態で積みあがった状態です。
この隙間に地下水等で水が十分に満たされた状態地震等の揺れが加わると、積みあがった粒子は崩れて締まろうとします。しかし間に含まれた水の体積は変わりませんので、相対的に水の圧力が上がり、ある段階で粒子同士の摩擦力が弱まり、土壌の粒子が水に浮いた状態になります。
地盤が一時的に泥沼になるようなイメージでしょうか。
地上にある建物は重さが支えられなくなり沈み、逆に埋設されている水道管等が浮き上がってくる状態となります。
泥水状となった地盤自体が流れて移動したり、地面から泥水が噴き出してきたりすることも有ります。
砂丘地帯や三角州、埋め立て地・旧河川跡や池沼跡・水田跡などの人工的な改変地では、土壌の元となる粒子の大きさが揃っていたり、地下水位が高い場所が多く液状化が起こりやすくなります。

古い埋め立て地等では、対策が行われていない事もあり、被害が出やすくなります。
此方も普段からハザートマップで危険な地域を把握しておくなどの対策が大切ですね。

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