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狂犬病の予防接種は新型コロナのために延期にして大丈夫?

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狂犬病

春の狂犬病予防接種集合注射が中止に

春になりまして、狂犬病の予防注射の時期になってまいりました。
犬を飼っていて、市町村に畜犬登録をしてあるお宅には、4月初旬になると、市町村から下のような『狂犬病集団接種の案内』というものが届きます。
狂犬病集団接種

狂犬病予防法施行規則によると、「生後91日以上の犬は4月1日から6月30日までの間に狂犬病の予防注射を受けさせなければならない。」と定められています。

毎年4月に市職員と獣医師が公民館などに出向き、動物病院に行かずとも近所で狂犬病の注射をうけられるようになっています。

しかし、今年(令和2年度)は、ご存知のように新型コロナウィルスが猛威を振るっています。

先日の緊急事態宣言をうけて、松阪市でも4月20日(月)~23日(木)にかけて市内各所で予定されていた狂犬病予防集合注射が中止となりました。
密を避けるためですので、仕方ありませんね。
集合注射は中止になりましたが、動物病院で獣医師さんには注射してもらえます。ただ、不要不急の外出を控え、人に接しない方が良い今現在、もう少し待った方が良いかと考えています。

ただ、狂犬病の予防接種を受けなかったらどうなるのでしょうか?

その前に、まず、狂犬病とは、いったいどんな病気なのでしょうか?

狂犬病とは?

狂犬病は、犬だけの病気ではない

狂犬病と言う「名前」だけは良く知られていますが、実際どんな病気なのか、あまり知られていないような気がします。
それもそのはず、日本ではもう60年以上国内での感染は確認されていない病気なんです。
狂犬病という名前や予防接種が義務づけられているのが犬だけという現状から、多くの方がイヌの病気だと思っているようです。でも、実際は、犬だけの病気ではありません。
感染するリスクのある動物(感受性動物)は、ヒトを含む全ての哺乳類です(鳥類に感染するという報告もあります)。

つまり、人獣共通感染症と言われる病気の一つになります。

狂犬病は一本鎖マイナス鎖RNAウイルスによって起こる

狂犬病とは、ラブドウイルス科リッサウイルス属の狂犬病ウイルス というウイルス を病原体とする感染症です。

このラブドウイルス科のウイルスは、一本鎖マイナス鎖RNAウイルスです。

一本鎖マイナス鎖RNAウイルスには、オルトミクソウイルス科 のインフルエンザウイルス、パラミクソウイルス科のムンプスウイルス・麻疹ウイルス・RSウイルス、フィロウイルス科のマールブルグウイルス・エボラウイルスなどがあることが知られています。

狂犬病ウイルスは、エンベロープに包まれているウイルスです。

ちなみに、現在流行っているコロナウイルスは、一本鎖プラス鎖RNAウイルスで、こちらもエンベロープがあります。

一本鎖プラス鎖RNAウイルスと一本鎖マイナス鎖RNAウイルスとは?

ウイルスは、ゲノム核酸として、DNA(デオキシリボ核酸)を持つDNAウイルスとRNA(リボ核酸)をゲノムとするRNAウイルスがあります。
RNAウイルスの中には、二本鎖のウイルスと一本鎖のウイルスがあります。
そして、一本鎖のRNAウイルスは、プラス鎖とマイナス鎖に分けられます。
プラス鎖RNAウイルスは、ウイルスゲノムRNAが、そのまま翻訳されウイルスのタンパク質が作られるタイプになります。
それに対して、マイナス鎖RNAウイルスは、そのままではmRNAとして機能できず、RNA依存性RNAポリメラーゼによって+鎖に転写してから、タンパク質が作られるなど機能します。

狂犬病の感染経路は?

人に感染する経路として、主に、狂犬病にかかっている動物に噛まれることが知られています。唾液に含まれるウイルスが、傷口から入り込み感染するのです。その他の粘液からも感染することもあるそうです。
臓器移植など特殊な状況を除いて、通常は、ヒトからヒトへの感染はないと言われています。

狂犬病の症状

狂犬病に感染した動物は、水を飲むと激痛があるので、水を恐れるようになるという特徴的な症状があります。そのため、狂犬病は、恐水病、恐水症 など呼ばれることもあるようです。

そして、感覚が過敏になるために、冷風刺激や音などで、痙攣などの症状が出ることもあります。

狂犬病の致死率は100%だが、初期なら治療方法がある

人間が、狂犬病を発症した場合、致死率はなんとほぼ100%です。
発症後の有効な治療法はまだ確立されていません。
凄く恐ろしい感染症なのですね。

しかしながら、ワクチンがあります。
1885年に、フランスの学者ルイ・パスツールによって弱毒狂犬病ワクチンが開発されています。

イヌの狂犬病の潜伏期間は、2週間から2カ月程度ですが、ヒトでは潜伏期間が1カ月から3カ月以上と長くなっています。
ですので、もしも狂犬病が疑われる動物に噛まれた場合は、すぐに傷口を洗浄し、ワクチンを接種することで発病を防げます。
その際、噛まれてから0日目、3日目、7日目、14日目、30日目と計5回のワクチン接種を行います。
WHOでは、初回接種時に人狂犬病免疫グロブリン20IU/kgを併用することを推奨しています。

海外で狂犬病が疑われる動物に噛まれた場合、現地で数回ワクチンを接種してもらい、日本に帰ってから、残りを接種するというパターンが多いようです。

狂犬病は、日本国内では根絶されているが、海外での感染例がある

日本では、狂犬病は1956年の1人の感染を最後に、根絶されたと言われています。
ただし、海外では根絶されておらず、いまだ多くの方が亡くなっています。

日本人が、海外で狂犬病に感染した例として、1970年にネパールで1例、2006年にフィリピンで2例あり、感染された方は帰国後に亡くなっています。
ですので、海外旅行に出かけた際は、可愛いからと言ってむやみに現地のわんこと触れ合うのは控えてくださいね。

(2020年5月22日追記)2020年5月22日には、愛知県豊橋市で外国籍の方の狂犬病発症が報告されています。
こちらの方はフィリピンで9月頃に感染したのではないかと報道されていました。

犬への狂犬病の予防接種はなぜ毎年必用なのか

狂犬病ワクチンは不活化ワクチン

狂犬病の予防接種に使われるワクチンは、狂犬病ウイルスを無毒化して作製した不活化ワクチンです。
不活化ワクチンというのは、ウイルスの毒性は無い状態とし、免疫を作るのに必要な成分だけを抽出したワクチンです。

不活化ワクチンでは効果の持続期間が短いため、毎年の接種になる

不活化ワクチンは、生ワクチンに比べると免疫力を獲得しにくく、免疫力が続く期間も短いと言われています。
そのために、数年ごとに予防接種を受けなおさなければなりません。
日本では毎年の接種が義務付けられていますが、外国では狂犬病の予防接種は3年に一度の所もあるそうです。

某所の研究では、狂犬病ワクチン接種後の抗体値を調査したところ、過去に5回以上接種したグループでは2~3年後にも93.0%の犬が十分な抗体を持ち、2~4回の接種では2~3年後に83.0%、1回ダケの接種では2年後には54.8%となったそうです。
2回以上のワクチン接種を正しく行えば、3年毎の接種でも狂犬病の予防としては問題無さそうですね。
それなのに、どうして日本では毎年の予防接種が必要なのでしょうか?

ワクチンが違うのか?と調べてみましたが、1年と3年のワクチンの違いはよく判りませんでした。
単純に1年の効果で認可がおりているから?3年に一度の国のワクチンでは3年で認可が下りているから、という事なんでしょうか。

今年は、新型コロナのための外出自粛で、狂犬病の予防接種は、まだ先のことになりそうです。
しかし、ワクチンの違いがあるかもしれませんが3年の国もあるくらいなら、少しくらい遅れるくらいなら問題ないと言えそうですね。

狂犬病ワクチンを犬だけに接種するという疑問

もし、日本に狂犬病が進入した時に、予防接種は、実際の狂犬病の予防対策になるのでしょうか?
現在の日本の政治や行政を見ていると、狂犬病の予防接種は、惰性と利権で継続されているのでは?と疑ってしまいます。

日本では、野犬や野生動物がうろうろしているような環境はあまりありません。どこかで発生したとしても新型コロナウイルスと違い爆発的に身近な場所で感染が広がるという事は想像しにくいので、ワクチンの副作用の方をリスクと考える方もいるようです。
しかし、人間は『咬まれた』と申告できますが、ペットが気付かないうちに感染動物と接触してしまった場合、高確率で死亡のリスクが付きまといます。
大切な家族の命を守る為には、散歩等で屋外に出る可能性が少しでもあるならワクチン接種はしておくべきでしょうね。

人とペットの安全を考えるのであれば、ヒトも含め外に出る全ての感受性動物に接種すべきではと思います。
完全に屋内飼育で、動物病院などの外出時にも外部と遮断されるケースに入れて移動する、という状況でなければ、皆一様に感染した動物と遭遇するリスクがあるからです。

特に自由に外を歩いているような飼育方法をとっているネコにおいては、犬以上に接種の必要性が高い気がします。
なぜ犬だけに接種するのか疑問なので、また調べてみようと思います。

無毒化ワクチンとはいえ予防接種は100%安全ではない

世界的にはまだまだ猛威を振るっている狂犬病。どこから侵入してくるかも判らない狂犬病の危険から家族や社会を守る為には、現状予防接種が一番簡単な手段ですね。
ただ、無毒化ワクチンと言っても、100%安全であるとは言えないようです。
どんなワクチンでも、副作用が起こる可能性があるのです。

家族の一員として、犬を溺愛している家庭も多い世の流れに対して、何十年も前の乱暴なルールでは受け入れ難い部分も出てきますよね。
例えば、現状では、犬の生まれ月によっては、初年度には1年に2度接種受けることになります。
接種量も、10倍以上も差があるような小型犬も大型犬も同じ…。
愛犬に何か副作用が出たらと心配になる気持ちもわかりますし。費用負担も多頭飼い(我が家は3匹)だと大きいですしね。
100%安全でないのなら、生涯に摂取する回数をできる限り少なくする工夫をしてほしいですね。

なかなか法律を改正するのは難しいかもしれませんが…。

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