【寄生虫】お尻から動く紐が出てきた?!感染の原因は散歩中に捕食してしまったアレ【注意】

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マンソン裂頭条虫

身近な場所にも寄生虫は潜んでいます

水田に水が入り、夕方になるとカエルの大合唱が始まるシーズンになりました。

田舎ではイヌの散歩に出かけると、道を横切るカエルが大量です。交通事故にあわれる個体も少なくありません(汗
食い意地の張ったコだと、散歩中ちょっと目と放した隙に、カエルを捕まえて食べてしまった、なんて事もあったりします。
野生の血が騒いだんだねー。なんて笑っていられないかもしれません。
カエルやヘビなどには、マンソン裂頭条虫という寄生虫が潜んでいる事があるんです

マンソン裂頭条虫ってどんな寄生虫?

マンソン裂頭条虫は、1882年にSir Patrick Mansonがヒトの死体から発見しました。そして、1916年に山田司朗により成虫が裂頭条虫であると同定されました。

成虫は、幅1cm程で体長は2mにも達します。1000個以上の体節に別れた構造で後方に行くほど成熟し、分離して別の個体となることができます。

排出された卵は水中で孵化して、第一中間宿主であるケンミジンコに捕食されます。その後、第二中間宿主のカエルに捕食され筋肉や皮下へ移動します。
カエルが終宿主であるタヌキ、キツネ、イヌ、ネコ等に食べられると、その小腸内で成虫となります。
ヘビはカエルを捕食しますが、ヘビの体内では幼虫は成長を行わずに筋肉や皮下に寄生し、ヘビは終宿主に食べられる前の待機宿主となります。
つまり、イヌやネコが、カエルやヘビを捕食することによりマンソン裂頭条虫が寄生します。
元気な動物に寄生してもほとんど症状は出ず、少し軟便気味になる、便の匂いが変わる、あまり太らないなど、少し体調が悪いのかな?位で気が付きにくいです。

マンソン裂頭条虫に寄生された!!

マンソン裂頭条虫は、なかなか頑固な寄生虫で、虫下しの薬は通常のモノよりかなり強めのモノを使用します。

昨年、当家の新入り犬が2度寄生されました
寄生された事に気づいたのは2度とも同じ状況でした。
体調は特に変化なく、体重は毎日計っているのですが、成長期で少しずつ増量している状態、MIX犬で最終的なサイズが判らない為、給餌量は体重をみつつ調整していました。
便の状態も普通でしたが、残便感があるのか便が出た後も踏ん張りつづけ、腸壁?でしょうか、ゼリー状の軟便が出て、その際にきしめんの様な白い紐状のものがお尻から垂れ下がった状態になりました。
タオルの糸でも食べてしまったかな?と思い、尻尾をよけて良く見てみました。
白い紐状のモノは、家で見た記憶が有るモノではなく、引っ張ってみると少し伸びて、手を放すとまた戻ります。まるで緩いゴム紐のよう。
そこで、ふと気が付きました。

『これ?動いてないか??』

ゆっくりですがその白い紐状のモノは、ゴムではなく、生き物の動きをしています!!
切れないように慎重に引っ張り出しました。70cm程もあったでしょうか。
瓶にいれ、水を入れるとやはりゆっくり動いています。まるでキャタピラのように小さな節がある謎の生物。

『コレ寄生虫だよなー?』

心当たりはありました。1~2週間程前の雨の日に、道端の草むらからモグモグしながら拾ってきた腐ったイタチの死骸…。(汗)
慌てて動物病院に行くと、先生は『犬で見るのボクは初ですよ』と瓶詰の条虫を見て笑われました。

『普通の条虫の6倍(だったかな?)位の強い薬を使うけど、在庫してないから明日の夕方きてねー』と一度帰宅。

翌日注射して、寄生虫騒動は無事終了。

…のはずだったのですが、1か月程後に再び同じ状況になってしまいました。
動物病院に電話すると、今度は駆除薬を在庫してくれてありました(笑)

気付かないうちに寄生されている事も

イタチは、マンソン裂頭条虫の中間宿主では無いのですが、中間宿主のカエルやヘビ等を捕食しているので、今回感染源となった可能性は高そうですね。

2度目は、思い当たるエピソードが全くありませんでした、散歩中にもカエルを食べてしまわないように、かなり注意していたつもりだったのですが。
飼い主が気が付かないうちに、いつの間にか寄生されていることもあるかもしれません。
体調はもとより、排せつ物のチェックも重要ですね。

現在、最初の条虫は近所の動物病院で、ホルマリン漬けの標本となってお仕事をしています。

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