外来種

ザリガニ釣りをしながら日本の自然環境について考える【外来種問題】

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釣り餌ザリガニ

リアルな自然と触れ合える場所は何処にある?

子供の頃遊んだ場所は殆ど無くなってしまいました

もう何年も前から言われている笑い話ですが、『近頃の小学生に海の絵を描かせると、魚が切り身で泳いでいるらしいよ』というのが有るそうです。

身近に自然が減り生物が少なくなった。野外で遊ぶ事が少なくなった。水辺などの危険な場所をどんどん立ち入り禁止とした。ゲームなどより面白いモノが身近にある。理由は色々でしょうが、魚に限らず自らの目で実際に生きている姿を目にする機会が激減したのは事実だと思います。

若い子たちが実際に生き物を知らないか?というと、野生ではなかなか見かけないような珍しい動植物の名前を知っていてビックリさせられることも有ります。
詳しく聞くと、『ゲームで採取できるレアキャラクター』なんて言われて、ゲームでもレア扱いなんだね。なんて妙に感心させられたり…。

松阪こた堂接骨院のある松阪市には、まだあちこちに自然の生き物を観察できる環境が残っています。
しかし、私が子供の頃と比較すれば、水路はコンクリートで固められ、側溝にはフタがされ、田畑や雑木林の多くは住宅地となってしまいました。
小学生位の子供達の行動範囲で、安全に自然と触れ合える場所は殆ど無くなってしまっているのが現実です。

当家の3歳になる子供には、せめて出来る限り自然とも触れ合わせてあげたい、人工的に造られた自然でしかその機会が得られないならば、それはそれとして正しく伝えていければいいなと思うのです。

水辺の遊び相手ザリガニ

という訳で、子供達の水辺の遊び相手の定番、ザリガニに会いに行ってみることにしました。

ちなみに、日本国内には『ニホンザリガニ』という在来種のザリガニと、『アメリカザリガニ』『ウチダザリガニ』という外来種のザリガニの3種類が生息していると言われています。
在来種のニホンザリガニ『北海道西部』『青森県』『秋田県』『岩手県』にしか生息しておらず、ウチダザリガニも三重県では確認された報告はないので、松阪市で野生の状態を見られるザリガニは『アメリカザリガニ』のみです。

外来種といえどその歴史は古いアメリカザリガニ

アメリカザリガニは、1927年に当時欧米に輸出する為に飼育されていたウシガエルの餌として神奈川県の鎌倉食用蛙養殖場に20匹が持ち込まれました。
現在この場所は、『岩瀬下関防災公園』となっています。以前は井戸の横に小さな池が有ったそうなのですが、埋められてしまったようで、残念ながらザリガニ釣りは出来ないようです。

ウシガエル
鎌倉食用蛙養殖場に飼育されていたウシガエルアメリカザリガニが、1938年7月に起こった大雨による洪水で養殖場より逃亡し、近くを流れる砂押川を経て日本中に広がったと言われています。
どちらも、雑食で貪欲、水質悪化に対する抵抗力があり日本固有種に比べ生存競争に有利なうえ、稲作を行うため水路や溜池が多い日本の環境は繁殖に適していたのでしょう。
アメリカザリガニはその後1960年頃には九州まで生息域を拡大していたとの事で、放流など人為的なモノも有ったのかもしれないですが物凄い繁殖能力ですね。

2019年現在、『特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律』ウシガエルは特定外来生物アメリカザリガニは生態系被害防止外来種に名前が挙げられています。

外来生物と食物連鎖と固有種の生息環境問題

アメリカザリガニはその生息域拡大により日本固有の在来種の生息を妨げる、『侵略的外来生物』とされています。
アメリカザリガニが増殖することで、エサとして固有種を食べてしまったり、エサや住処の奪い合いによって在来種を駆逐してしまうというのです。またアメリカザリガニは雑食なうえ、食事とは別に水草をその鋏で刈りこむ習性があり、在来の昆虫や魚だけでなく水草などにも影響があるとされています。
水田などでは、巣穴を掘ることで畔に穴が開き水が抜けるなどの被害もあるとされています。

外来種を駆除すれば在来種が戻ってくる?

日本の環境に適応し、身近にも多く見られる外来生物の特徴として、『雑食で貪欲』『環境悪化に耐性がある』などの特徴が有ります。
これは考え方によっては、『環境汚染により在来種が住めなくなった環境でも生息できる』とも解釈する事ができます。
つまり、『外来種が進出したために在来種が減少した』のではなく、『環境の悪化により在来種が減少した場所に外来種が進出した』可能性もあるという事です。
この場合には、仮に外来種を駆除してもその場所で在来種は生息できないのですから、何も住まない寂しい場所となってしまいますね。

人為的な介入でバランスが崩れるのでは?

例えば、アメリカザリガニはもう何十年も前から、学研の図鑑でも飼い方や捕まえ方が紹介されているほど、身近な水辺の生物として定着しています。これは本来生息していない日本国内においても、水辺における生態系の一部となっているという事でもあります。外来種が固有種に与える害のみがクローズアップされがちですが、捕食する天敵が極端に少ない外来種と比較してアメリカザリガニは鳥などの餌となっています。(ミシシッピアカミミガメ、コイ等は成体となると捕食する天敵は殆ど皆無となります。)
生態系のバランスが取れている場所で、人為的にアメリカザリガニのみを捕獲駆除した場合、アメリカザリガニを餌として捕食している動物は食べるモノが無くなってしまいます。そうなると、代わりのモノ(希少な在来種など)を捕食せざるを得ないですし、食べるモノが不足すれば当然個体数の減少につながります。

『特定外来生物に指定』すれば何か解決するの?

アメリカザリガニ『特定外来生物』に指定するという案もあるそうです。
特定外来生物に指定されると、以下の項目が禁止となります。

  • 飼育・栽培
  • 運搬
  • 保管
  • 輸入
  • 野外に放つ・植える
  • 譲渡・引き渡し

野外に放ったり許可なく飼育すると懲役3年以下もしくは300万円以下の罰金刑となります。

特定外来生物に指定することで、ペットなどとして飼育されている個体が野に放たれたり、取引を制限することで販売目的などでの人為的な個体数の増加を防止することができます。
しかし、これにより外来種が生息していない場所への生息域の移動拡大は防止することができますが、既に環境に適応して日本中で野生化しているアメリカザリガニの運搬や飼育を禁止してもあまり意味は無さそうに思います。
閉鎖水域で、完全に駆除する事に成功した場合には、その場所に再び侵入する事の予防位にはなるでしょうが…

特定外来生物に指定することで天敵が減る可能性が

大高緑地

例えば、子供が捕まえたザリガニは小学校や家庭等で飼育され、多くはそこで命が尽きてしまいます。
特定外来生物に指定される事で、生きたまま運搬できない飼育できない状態となったらどうでしょうか。
ザリガニ捕りをする子供は今よりもさらに減るでしょうし、捕獲してもその場所で再放流が行われる率が上がるでしょうね。
人間の子供も僅かながら自然界ではザリガニの天敵として作用しています。
特定外来生物としての指定は、アメリカザリガニの天敵を減らす結果となり、生息数の減少には繋がらない気がします。
政治的な『環境の心配をしてますよ』『何かやりましたよ』というポーズの為だけなら、指定する意味は無いと思われます。

外来種の進出は現在進行形の大問題

最近では、観賞用として人気のある外来種のザリガニ『ミステリークレイフィッシュ』について、2019年2月28日に環境省が特定外来生物に追加指定する案を打ち出しました。
ミステリークレイフイッシュは、単為生殖、つまり一匹でも逃げ出せば繁殖して数が増えていくという困った性質を持っています。

ペットとして飼われていた動物を無責任に放してしまう事が環境に多大な影響を与えてしまいます。
無責任な人間さえいなければ、もう少し脱走に対する対策をしていれば、大きな問題と成る程には増えなかった外来種もいるかもしれません。
一度環境に溶け込んでしまうと、単純に駆除すればいいダケの状態に収まらず、元の状態に戻す事は困難を極めます。
希少な在来種などは、取り返す事ができない状態となってしまうかもしれません。

子供の水辺の遊び相手。
どう、子供に教えるのが良いのか。
子供はどう感じて、未来の為にどうしていくのが正解なのでしょうか。
最低限、飼うのであれば『その命の最後まで責任を持って』と言う事だけは、しっかりと伝えていきたいですね。

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