粉瘤だと思っていた腫瘤が病理検査の結果、実は扁平上皮癌だった話

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経過観察していた粉瘤が一波乱巻き起こす

当家の今年12歳となる愛犬の背中には、かなり以前から巨峰位のサイズのしこりが有りました。
しこりは、表皮とは繋がっているようですが、皮下の浅いところにあり、内部では独立しているようで触ると皮下で動くのが分かります。

定期的に動物病院に通院していたので経過観察は行われていた

会陰ヘルニアの治療で通っていた動物病院でも、粉瘤脂肪腫だろうとのことで、大きさが急激に変化しないようであれば、経過観察ということになっていました。

会陰ヘルニアの治療自体、手術後の予後が、あまり良好だったとは言えず、何度かの手術を経てようやく完治と言える状態になりました。
会陰ヘルニアの手術後に発生した、最後のトラブルは、ヘルニアの穴を埋める為に入れたシリコンプレートの端の部分が、皮膚と干渉して皮膚が破れてしまうトラブルでした。
薄く緊張した皮膚は縫合することも出来ず、傷はふさがらなかった為、最終的にはシリコンプレートを再摘出して、縫合しなおすことで終息しました。

会陰ヘルニアが終息しシャンプーをした時が始まりでした

度重なる手術の影響で、かなり長期間にわたり傷が有ったため、シャンプーをすることができず、身体がかなり汚れてしまっていましたので、手術後、抜糸が終わり傷がふさがったのを確認してから、久しぶりのシャンプーとなりました。
シャンプーが終わり、ブラシをかけている時に、背中のしこりから、小さく白いものが出ているのに気が付きました。ティシューで拭きとって、しこりを触るとまた出る。
鼻の角栓ニキビをつぶした感じで白っぽいものが出てきます。

粉瘤に穴が開きました

どうやら背中のしこりの正体は、粉瘤だったようです。粉瘤の大きさにたいして、皮膚の穴は極端に小さく、拭いても拭いても糸状に中身が少しずつ出てきます。
粉瘤は袋が残りますので、中身がなくなっても袋に皮脂などが溜まることで、再発します。

ところが、穴がふさがる前にトラブルが発生してしまいました。本人がなめたのか、他のコがなめたのか分かりませんが、背中の粉瘤のあった部分の皮が捲れてしまったのです。
少し出血して腫れてしまい、化膿止めのお薬が処方されました。

粉瘤ってどんなモノ?

皮膚の下に、表皮の組織を由来とした袋が形成され、そこに垢や皮脂が溜まることで腫瘤状となります。

保存療法では傷がふさがらない?!

かなり長い期間、投薬治療を行いながらの経過観察でしたが、結果として傷はふさがりませんでした。

傷が腫れて盛り上がったことで、傷口が丁度富士山のような形状となり、皮膚が合わさらず隙間があいた状態となってしまったのです。その状態で安定してしまい、潰瘍状の傷が背中にできてしまいました。

粉瘤の袋を摘出する手術を受ける

当初は保存療法の予定でしたが、傷がふさがらない為、摘出手術を受けることにしました。

手術は、背中の腫瘤を挟むように木の葉のような形に切開し、皮膚と腫瘤を取り出した後、傷を縫合となります。
手術は、午前中検査の為に10時頃入院し、昼に手術夕方退院と日帰りで行えました。

初めて会陰ヘルニアで入院した時には、病院中に響き渡る絶望的な悲鳴を上げ続けていた、当家の愛犬でしたが、今やすっかりベテランです、美味しいものをもらえると学習したのか、鼻歌混じりに悠々と待機スペースに入っていきました(汗)
夕方迎えに行くと、摘出した腫瘤が薬液づけになっていました。

以前、知人が事故で愛犬の尾を切断してしまった話で、『尻尾の先だけでも、自分の犬って判る』と言っていたのですが、まさしくその通りでした。薬漬けになった塊に、ついている皮膚は、まさに見覚えがある当家の愛犬のモノ(当たり前ですが)
大きさは思っていたよりも少し大きく、4cm程の少し歪な球形に近い形状でした。

切除された腫瘤は病理検査に送り、2週間程で抜糸を行う旨の説明の後、退院となりました。

検査結果は予想に反し悪性腫瘍

抜糸の際に検査結果の診断書をいただきました。
病理組織診断名は『扁平上皮癌』
扁平上皮癌。悪性腫瘍でした。
色々と調べると、確かに切除時の状態は扁平上皮癌の症状と一致する部分も…

扁平上皮癌は、表皮を形成する扁平上皮細胞が腫瘍状に増殖する悪性腫瘍で、病状は潰瘍ただれとして現れることから、傷や皮膚病としばしば間違われることがあります。犬では約66%が口腔内、26%が皮膚、その他乳腺鼻腔内等にも発生が見られます。

しかし、これまでの経過や状態を考えると、元々はただの粉瘤で、皮膚の傷などから癌化したのではないかと言う感じでした。
確かに、粉瘤に傷がついた後しばらくして、傷口が潰瘍状になっていましたが、異常に肉芽が形成されている状態だったわけです。

病理検査の結果によると、中分化型で深部への局所湿潤性も高いことから組織学的には中~高悪性度と、悪性度はやや高い腫瘍と診断されました。
ただし、病巣が粉瘤の部分に有った為か、脈管侵襲像は確認されず、マージンも確保できているので経過に注意する必要はありますが、予後は良いだろうとのことでした。

高齢化と相まって人間の世界でも犬の世界でも癌は増加傾向に

高齢化の影響か、人間の医療においても癌による、罹患数・死亡数、粗罹患率・粗死亡率などは増加傾向にあると言われています。
犬などペットの世界でも、癌の罹患率は増えており、あるデータによると10歳以上の老犬では約半数が癌によって死亡するともいわれています。

癌は早めに発見して切除することで、予後がかなり変わってきますので、普段から良く観察しましょうね。

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