
よいしょっと。
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掛け声をかけて動くのは恥ずかしくありません
『掛け声をかけないと、動けないのよ。』
年配の方がよく言われる言葉です。
何をするにも、口から掛け声がこぼれます。
必要な筋肉が不足している??
ヒトは持っている筋肉をすべて使えているわけではありません。
筋肉に電極を差し込み、通常の神経からの信号に変えて電気刺激を与えて強制的に収縮させると、通常の最大収縮時よりも30%も高い値が得られるというデータが有ります。
つまり我々は構造的に出しうる筋力より少ない筋力を『全力』だと認識しているのです。
この『予備』は自分で自分の体を破壊してしまわないようにするための保険でもあります。
しかし、一方で『これ以上頑張ると疲れる』という辛いことから逃避しようとする心理的な枷でもあります。
集中することで発揮できる筋力はUPすると言われています。
ドーピングに、集中力を高める薬剤を使用するという方法が有ります。
薬剤により、通常時よりも強い刺激が神経から筋肉に伝わり、筋力をUPさせようというものです。
掛け声を掛けることで同様の効果を期待できます。
掛け声をかけることにより、動きに集中することができ、
同時に『動く』という意識が明確に脳に伝わることにより、心理的な枷も少し抑えられるのではないかと考えられます。
トレーニングは神経も鍛える。
また、適度にトレーニングをすることで、上述の構造的に出しうる筋力と実際に使える筋力の差が少なくなるともいわれています。
神経が上手に筋力を使えるようになることで、筋肉の量が同じであってもより強い筋力が発揮できるのです。
自分自身の体ですが、上手に動かす練習をすることも必要なのです。
年をとってから、筋肉を増やそうと考えてもなかなか大変です。
しかし、予備として『すでにある』部分を上手に使うことで、現在よりも体は動かしやすくなると考えます。
筋肉は我々の体の中で無意識に働いています。
特に姿勢を保つ働きをしているような筋肉は疲労で動きづらくなったとしても、怠ける訳には行きません。
出力が落ちると、その負担は関節や靭帯にかかってきます。
関節が痛んだり、ヘルニアによる神経症状が出てきたりする原因になるかもしれません。
実際に必要な部分の筋トレだけが大切か?
このようなデータがあります。
片側のみの筋力トレーニングを行ったところ、反対側の筋量の増加は見られなかったが、反対側にも筋力の増加が認められた。
トレーニングを行うことで、筋肉の操作を行う中枢神経が鍛えられると、実際にトレーニングを行っていない場所も上手に操作できるようになるのです。
痛みが出ている部分の運動については、痛みが引くまでは控えるべきだと思います。
しかし、神経系のトレーニングは他の部分でも行えます。
同時に痛みの出ている部分の筋力も強化でき、それにより負担を減らせると考えれば、他の部分のトレーニングも有用であると考えられます。
無理せず、できるところから、少しずつ運動してみませんか?