自動車教習所でサラッと方法だけ教わったきりという人も多いのでは?

最近の自動車は、スペアタイヤが装備されておらず、代わりにパンク修理剤が車載されているものが多いようです。
重量軽減による燃費の向上や、積載スペースの拡大といったメリットもあり、またスペアタイヤはほぼ使われること無くその役目を終えてしまう事が多い為、環境面にも配慮するというのがその理由なのだそうです。
確かに、JAFや任意保険でもロードサービスを取り入れている会社も多いですし、携帯電話の電波が入らないような場所も少なくなりましたから、一般の方が普通に走っている場所で、どうしても自分でタイヤを交換せざるを得なくなるような、シチュエーションってあまり無さそうです。

スタッドレスタイヤへの交換

松阪こた堂接骨院の近辺は、めったに雪が積もらない地域ですので、何年かおきの車検の際に車屋さんに『そろそろ…』と言われて、タイヤ交換する程度という人も少なくないです。
しかし、稀に雪が積もることも有りますし、橋などは凍結することも有りますので、近年ではスタッドレスタイヤをはいている人も増えました。
ホイールを複数セット持っていて、履き替える手段としては。

・ガソリンスタンド等で交換。
・ディーラーや、修理工場などで交換。
・タイヤ販売店で交換。

等が有りますね。
タイヤ販売店ですと、使わない期間タイヤを預かってくれるサービスが有ったり、修理工場等では、点検の際に一緒に頼めば、サービスで付け替えてくれたりする店も有ります。
車検時には、タイヤの着脱が必要となる点検項目が有りますので、殆どのお店で、無料(車検整備料金に含まれている)でタイヤの付け替えもしてもらえます。
しかし、有料でお願いする場合には、交換工賃は大体1輪1000円前後からで、お財布にも結構な打撃ですよね。

車載の工具で自力タイヤ交換作業をしてみる

という訳で、自分でタイヤ交換してみましょう。
せっかく専用の工具が車載されていますので、今回は、車載工具を使用してタイヤ交換をしていきます。

車種によって、タイヤのサイズや重量はかなりの差が有ります。
デリカD:5についているタイヤは、ホイール込みで20kgオーバー。ホイールやタイヤの種類によっては、かなりの重量となり、4輪交換するのは、かなりの重労働となります。

画像が見えにくいですが、↓のタイヤだと、28.4kgあります。


これを自力で交換しようと思えるのは、かなり元気な時位限定です…。

今回は、ダイハツ コンテのタイヤ交換を、車載工具を使用して実行してみます。

ダイハツコンテの車載工具を取り出す

コンテの車載工具はトランクスペースの床下に収納されています。

床を持ち上げると…


スペアタイヤと車載工具が収納されています。
スペアタイヤは中心にある歯車のようなノブで車体にねじ止めされて動かないようになっています。
車載工具は、けん引フックと、鈎のついた大きなマイナスドライバーのような工具(ジャッキハンドルバー)、L字型のボックスレンチ(ホイールナットレンチ)…。

あれ?ジャッキが無い?

スペアタイヤを取り外すと、スペアタイヤの下側にジャッキが収納されていました。

工具の積載位置は、車種によってまちまちですので、取扱説明書を確認してくださいね。

ジャッキには回転部分にグリスが塗られています。またタイヤ回りは油汚れ等多い部分ですので、汚れてもよい服装で。軍手など、手を保護するのも忘れずに!!

作業は必ず平らで固い場所で行いましょう

作業をする場所は、平らで、地面が固い場所が良いです。

傾いた場所で作業すると、最悪車体が倒れます
車載の工具は、『最低限の作業ができるよ』程度のモノと考えてください。

本当に結構簡単に倒れてしまいます

地面は、平らでないと、ジャッキが不安定となります。凸凹のある場所で作業する場合は、ジャッキ部分だけでも平らで安定した状態になるようにコンクリートの板等を引きます。
車輛の重量がこの部分に集中しますので、かなり大きな力が加わります。重量のある車だと、3cm程度のコンクリート製側溝蓋程度だと、あっさり割れますから注意が必要です。間違えても、側溝の上等で作業しないようにしてくださいね。

サイドブレーキを引き、ギアはPにいれた状態で作業を行います。

車体をジャッキアップする

作業の前に、交換するタイヤの対角線上にあるタイヤに車止めを噛ませます。

車体の下をのぞき込むと、薄い枠のような部分に切れ込みが2カ所入っている場所が有ります。
初めて見たときには、こんな細い場所で大丈夫??と思ったものですが、この切れ込みの間は補強されていますので、必ずこの切れ込みの間にジャッキの中心にある溝を合わせて、かけるようにします。


ジャッキは、横の部分にある穴の開いた摘みを手で時計回りに回すと、伸びていきますので、ジャッキの切れ込みに、車体のフレーム切れ込み位置がはまり込むようにジャッキを上げていきます。

ジャッキを車体の正しい位置にしっかりかけられたら、ジャッキハンドルバーのカギの部分をジャッキの穴にかけ、反対側をホイールナットレンチの穴に差し込むと、簡易のハンドルが出来上がります。


そのまま、ハンドルを回して、少し車体を持ち上げます。

タイヤは接地したままで、ホイールナットを緩める

サスペンションが伸びるので、すぐにタイヤは浮き上がりませんが、タイヤは地面についたままで、取り合えず車体を少しだけ持ち上げます。
その状態で、タイヤのホイールナットを緩めていきます。

タイヤが浮いた状態でホイールナットを緩めようとすると、タイヤが空転してしまうので、タイヤは浮いていない状態でOKです。

ジャッキのハンドルに使用していた、ホイールナットレンチをホイールナットにしっかり奥まで差し込んで、反時計回りに回します。

写真のような方向で使用すると、回転方向に体重をかけて作業することができるので、非力な方でも緩めやすいと思います。
取敢えず、ホイールナットは外さずに緩めるだけです。作業は負荷が偏らないように、ナットを緩めたら、次は隣ではなく、対角線上に有るナットを緩めていきます。

ホイールナットをすべて緩めたら、再度ジャッキを使用して、タイヤが少し浮く程度までジャッキアップします。

この時に、車体の下にタイヤを一つ入れておきます。もし、ジャッキが倒れても、この挟んだタイヤで完全に車体が落ちてしまうのを防ぐことができます。


面倒でも、必ず挟んでおくのをお勧めします。先にも書きましたが、ジャッキはかなり不安定ですので、『必ず』です。

タイヤが地面から離れるまでジャッキアップしたらホイールナットを外してタイヤ交換

タイヤが少し浮いたら、ホイールナットを外していきます。
ホイールナットを外すと、意外とタイヤがぐらぐら動きますので、タイヤを抑えつつ作業すると良いです。タイヤは押さえないと、工具が入らなくなる位動きます。

ホイールナットを外したら、タイヤを交換します。交換するタイヤはあらかじめ近くに用意しておきます。
タイヤを外している時間はできる限り短くするのが安心です。


タイヤを出来るダケ真っすぐに立てた状態で、少し持ち上げるように水平に引っ張り取り外します。
無理に引っ張ると、ホイールが刺さっているネジのネジ山を壊してしまったり、ホイールが傷だらけになってしまいます。

次に、交換するタイヤをはめ込みます。こちらも水平に。
斜めにタイヤの下側を車体の下に入れてから、ちょっと持ち上げるようにしてタイヤを起こしながらボルト穴に差し込む感じにすると、作業しやすいと思います。

タイヤを入れ替える際に、車体やジャッキにタイヤ等をぶつけてしまわないように、十分注意してくださいね。しつこいですが、ジャッキは結構簡単に倒れますよ。

あまり高くジャッキアップしていると、重いタイヤを付け替える際に、持ち上げなければならなくなって作業が大変になってしまいます。かといって低すぎると、付け替えるタイヤによっては入らなかったりします。

ホイールナットを手で締める

タイヤをはめたら、手でホイールナットを全てつけてしまいます。
手で締まるだけ締めたら、ホイールを少しゆすって、ガタガタしなくなるところまで手で締め込みます。

横着をして、ちゃんとネジが噛みこんでいない状態で、工具を使って締めこみ、ネジ山をつぶしてしまうと、大変な出費になってしまいますから、くれぐれも慎重に。

ホイールと車体の間や、ホイールとホイールナットの間に噛みこんでしまわないように注意して作業してくださいね。

手作業で十分ホイールナットを締めたら、ホイールナットレンチを使って仮締めします。
ジャッキを下ろして、ホイールナットをしっかり締めたら、タイヤ交換作業は修了です。

この作業を、4輪同様に繰り返していきます。

ホイールナットを締め付ける力加減は?

ホイールナットは緩すぎても、締めすぎても良くありません。
最初に締まっていた状態を大体覚えておくと良いですが、プロでも一定の力で締め付けられる工具を使用する作業です。
作業終了後に近くのディーラーや、ガソリンスタンドなどで、トルクレンチという工具で規定の強さに締めなおしてもらうのをお勧めします。

ブレーキのカスなどでホイールの内側は結構汚れています。せっかくなので、外したタイヤは保管前に洗っておくと気分が良いです…(思うだけ)。

タイヤ交換にあると便利な道具

車載工具でも一応作業は可能です。
しかし、あくまで応急的に使用する道具ですので、メンテナンスをご自分で行う場合には、ある程度道具をそろえると、作業の効率が格段に上がります。

以下は、個人的にあると便利かな?という道具です。

インパクトレンチ
規定トルクで締めてあっても、交換時に物凄く固くなってしまっているナットが有ったりするのですが、この工具を使用すると簡単に緩めることができます。
シガーソケットから電源が取れるモノも有りますが、ドアやハッチを開けた状態でジャッキアップするのはあまり良くないそうですので、交換場所で電源が確保できるなら、コンセントや充電タイプのモノが使い勝手が良いような気もします。
電源が確保できない場所ではシガーソケットから電源が取れるタイプか充電式が超便利です。

十字レンチ
ホイールナットに差し込んだ状態で、クルクルクルッとコマのように回す事が出来ますので、作業効率が大幅にアップします。
両側から力を加えられるので、片側から力を加える車載工具のホイールナットレンチより少ない力で作業可能です。
クルクルクルっと回す前提で、ベアリングが付いているようなモノも有ります。

トルクレンチ
ホイールナット等を規定トルクで締め付ける事が出来ます。
緩かったり、締め付けすぎる心配がなくなり、安心です。
規定トルクは、取扱説明書のタイヤ交換の項目に明記されています。

フロアジャッキ

レバーを上下するだけで、車体が持ち上がります。
大きな車や、何台も作業するなら、有るとかなり便利です。
耐荷重や持ち上がる高さで、値段にかなり幅があるので、購入時には使用する車両に対応可能か要確認です。

フロアジャッキ自体がかなり重いです。

タイヤ交換作業まとめ

1・工具、交換するタイヤを準備して、平らな作業スペースを確保する。
2・タイヤが接地した状態で少しだけジャッキアップする。
3・ホイールナットを緩める。
4・タイヤが少し浮くまでジャッキアップする。
5・ホイールナットを外す。
6・タイヤを付け替える。
7・ホイールナットを手で締め付ける。
8・レンチでホイールナットを仮締めする。
9・ジャッキをおろす。
10・規定トルクでホイールナットを本締めする。

慣れれば、そんなに難しい作業ではありませんので、1時間程度で出来ると思います。

自分で整備すると、愛車にますます愛着がわきますよ。

 

 

作業には危険が伴う場合が有ります。タイヤ交換を行う際には、ご自身の責任にて慎重に作業を行ってください。
当ブログは個人の作業記録であり、作業の内容を保証するものではありません。