
突然大量のミツバチが消える。
蜂群崩壊症候群
2006年から米国各地でセイヨウミツバチが突然いなくなる、という現象が発生しています。
巣の周りに死んだハチはほとんど見られない。
ハチミツや花粉など食料の備蓄は残ったまま。
孵化していない蛹が取り残されたまま。
まるでハチ版メアリー・セレスト号事件です。
原因は、『気候による栄養状態』『殺虫剤の影響』『病気』『寄生虫(ダニ)』『電磁波の影響』『遺伝子組み換え作物の影響』『地球温暖化の影響』『ミツバチの過労』なんてものまで様々なことが言われています。
この中で殺虫剤の影響として疑われているのが『ネオニコチノイド』
以前より農薬の主流であった有機リン系殺虫剤と比較し、ヒトや哺乳類、鳥類、爬虫類への安全性が高い反面、昆虫に対する毒性は非常に強い。
薬品が植物へ取り込まれ残効が長いので、散布回数を減らせる。
などメリットが大きい為、世界中で主流の農薬となっています。
EU諸国では事態を重く見てネオニコチノイドが原因と確定はしていないものの、使用に制限設けていますが、日本では逆に残留農薬の基準が緩和されています。
生産農家では手間のかかる農薬散布回数を減らせるのですから、原因として確定していないのに『使うな』と言われてもなかなか難しい問題ですよね。
ハチミツだけじゃないハチの仕事。
国連環境計画(UNEP)の報告によると、
「世界の食料の9割を占める100種類の作物種のうち、7割はハチが受粉を媒介している」
のだそうです。
ハチといえばハチミツをイメージしますが、農作物の受粉の媒介としてミツバチは非常に重要な役割を果たしています。
小規模な畑であれば、刷毛などを用いて受粉を行うこともできますし、風等で自然に受粉できる植物も有ります。しかし、御自分で家庭菜園等をされた経験がある方だとご存知の通り均等に受粉しないと歪な形になるような作物もあり、そういった作物の受粉にミツバチは非常にうまく貢献してくれています。
ミツバチの仕事を代用する機械を開発?
小型のドローンをミツバチの代用として使用し、農作物の受粉をさせようとするような研究も進められているそうです。
ただ花粉をまき散らせば良いのであれば容易に出来そうですが、うまく狙ったように受粉の媒介ができるように動作するようになるには、まだまだ時間がかかりそうですね。
便利な生活も重要ですが、人間だけが快適な環境だけを目指すことはできません。
ヒトも動物も植物もお互いが様々に影響しあって生活しています。
皆が快適に過ごせるようになると良いですね