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はじめしゃちょーのカフェインVS睡眠薬の検証企画は正しかった!

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目次

はじめしゃちょーの「睡眠薬VSカフェインどっちが勝つの」企画が問題になっているが、科学的には?

人気ユーチューバーのはじめしゃちょーの企画動画「カフェインVS睡眠薬」は非公開に

人気ユーチューバーのはじめしゃちょーさんの

「カフェインVS睡眠薬 両方飲むとどっちの効果が勝つの?」

という企画動画がネット上で問題となっています。

この動画は2019年7月7日にアップされたものです。人気ユーチューバーであるため、何十万回も再生されています。

動画の具体的な内容は、睡眠改善薬「ドリエルEX」をカフェイン含有の「モンスターエナジー」で飲んで、どっちの作用が強く出るかという企画でした。

気になる結果は、眠りに落ちたために「勝者 睡眠薬」となっていました。

ただ、動画は非公開にされてしまったようです。

花粉症薬の眠気がコーヒーでおさえられるかと同じ内容で興味深い検証だった

非公開になった理由は、不適切な内容と判断したとのことですが、科学的にみれば面白い企画だったと思います。

つまり、「花粉症薬の眠気がコーヒーでおさえられるかどうか?」という問題と同じだからです。

その理論的な答えは、花粉症薬の眠気はコーヒーではおさえられないですので、はじめしゃちょーさんの検証は大成功ということになります。

それでは、まず企画で使われた薬についてみていきましょう。

ドリエル7EXとは、ジフェンヒドラミン塩酸塩が成分の睡眠改善薬

はじめしゃちょーさんの動画の中では「睡眠薬」とされていましたが、実際には「ドリエルEX」という睡眠改善薬が使われています。

睡眠薬と睡眠改善薬の違い

睡眠薬や睡眠導入剤は、医師の処方が必要で慢性的な不眠症状に使われる薬です。

睡眠改善薬は、市販で買うことができ、一時的な不眠症状に使用する比較的緩和に睡眠誘発作用を有する薬です。一時的と書いたのは耐性ができやすいことにあるようです。

ドリエルEXの成分はジフェンヒドラミン塩酸塩

ドリエルEXの1カプセルには、ジフェンヒドラミン塩酸塩50㎎が含まれています。

これを一日1回1回寝る前に内服します。

ちなみに、6カプセルが1箱に入っていますので、6回分になります。

・【第(2)類医薬品】ドリエルEX 6カプセル (ドリエルEX)


ドリエルとドリエルEXの違い

はじめしゃちょーさんの動画で使われたのは、「ドリエルEX」でしたが、「ドリエル」という製品もあります。

どちらもエスエス製薬の製品です。

「ドリエルEX」がカプセル製剤なのに対して、「ドリエル」は錠剤になります。

1日1回2錠になりますが、この2錠でジフェンヒドラミン塩酸塩50㎎が入っていますので、結局はどちらも同じ量の成分を摂取することになります。

ただ、ドリエルは6錠(3日分)の製品もありますし、やや値段が安い傾向にあるようです。

【第(2)類医薬品】ドリエル(12錠)【ドリエル】

ドリエルEXの成分ジフェンヒドラミン塩酸塩は抗アレルギー薬と同一

ドリエルEXやドリエルに含まれるジフェンヒドラミン塩酸塩は、抗アレルギー薬の第一世代の抗ヒスタミン薬になります。

抗ヒスタミン薬の中で第二世代となるアレジオンやアレグラに比べて、眠気などの副作用があるため、現在、このジフェンヒドラミン塩酸塩など第一世代の抗ヒスタミン薬が花粉症などの治療には現在あまり使われることがありません。

眠かったりだるかったりすれば、車の運転や学業に支障がでますもんね。

ただ、この副作用に目を付けた製薬会社が睡眠改善薬として発売しているのです。

眠気がでる抗アレルギー薬と出ない抗アレルギー薬があるのはなぜ?

アレルギー鼻炎や蕁麻疹などのアレルギー症状には、ヒスタミンが関係しています。このヒスタミンをブロックすることで症状を緩和させるのが抗ヒスタミン薬になります。
ドリエルに使われているジフェンヒドラミン塩酸塩など第一世代の抗ヒスタミン薬は脂溶性が高いために、血液脳関門を容易に通過して、脳である中枢神経のヒスタミンもブロックしてしまうので眠気を発現してしまうのです。
ちなみに、中枢神経では、ヒスタミンは覚醒作用に働いています。

ドリエルは割高なのでレスタミンコーワがオススメ

睡眠改善薬ドリエルの成分は、抗アレルギー薬のジフェンヒドラミン塩酸塩なのですが、抗アレルギー薬で同じ成分の市販薬があります。

それが、レスタミンコーワ糖衣錠です。

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効能・効果は、じんましん、かゆみ、鼻炎などのアレルギー症状となっています。一回3錠で1日3回となっています。1錠に10㎎のジフェンヒドラミン塩酸塩が入っていますので、1回30㎎になり、ドリエルの1回50㎎より少なくなりますが、一日量では90㎎となりますので、一日量でみればドリエルより多くなります。

そして、レスタミンコーワ糖衣錠には80錠入りと120錠入りがあり、120錠入りでも700円前後でネットで買えます。

ジフェンヒドラミン塩酸塩の量を考えると、自己責任になりますが、レスタミンコーワ糖衣錠を買った方がかなりお得です。

具体的にジフェンヒドラミン塩酸塩量と値段を見てみましょう。

レスタミンコーワ糖衣錠120錠  1200㎎ 約700円

ドリエルEX 6カプセル 300㎎ 約1500円

約8倍ですが、やっぱり用法を守りたいという人には、アマゾンでジフェンヒドラミン塩酸塩50㎎の入った他の製品が300円以下で売られています。

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その他の眠気の副作用のある抗アレルギー薬

抗ヒスタミン薬のクロルフェニラミンマレイン酸塩も眠気を起こす副作用があるので、睡眠改善薬として利用されることがあります。

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ジフェンヒドラミン塩酸塩は個人輸入すると50分の1の値段で安く手に入る

アメリカのアマゾンでは、Diphenhydramine HCl Tablets 600錠が10ドルくらいで売っています。1錠が25㎎ですので、「ドリエル」と同じです。50㎎服用するとして300回分、つまり「ドリエルEX」や「ドリエル」50箱がたった1200円で売っているのです。なんと50分の1以下の値段です。レスタミンコーワ糖衣錠と比べても6分の1以下という激安です。

医薬品になりますので大量の個人輸入だと税関で止められる可能性もありますが、送料を考えても安いので、海外サイトから個人輸入できればかなりお得になります。逆に「ドリエル」高すぎです。

ジフェンヒドラミンの乱用と中毒

実はこのジフェンヒドラミン塩酸塩は、耐性ができるのが早いと言われています。
体に抵抗力がつくので、飲んでいるうちに中枢神経をおさえにくくなり、数日間連続で服用すると効果はかなり少なくなるようです。ですので、市販薬ドリエルには「一時的な不眠症状に」となっており、たった6回分のみで売られています。値段だけでみると高くて不満があるのですが、大量に購入できないという意味では良いことだと思います。

耐性ができ効果がないと量を増やしたいと思う人もいるかもしれません。実際に、寝られないからと大量に服用した人が病院に運ばれたとの症例報告がネットだけでも複数確認できました。また、厚生労働科学研究において、市販乱用薬物の中にレスタミンやドリエルがあがっています。

こういう事例を見ると、安いからと言って、安易に海外から個人輸入するのはお勧めできませんね。日本で市販されているレスタミンコーワ糖衣錠であっても、当然、大量に飲めば危険で、その症例報告らしきもネットでみました。用法や容量は必ず守りましょう

こういうこともあるので、はじめしゃちょーさんの動画が非公開になったのは良かったのかもしれませんね。だって、水またはぬるま湯で飲むとなっているのをエナジードリンクで飲んだわけですから、用法は守ってないですね。だからといって、水で飲んだ後にエナジードリンクを飲んだという検証なら良かったかというと微妙ですが…。

モンスターエナジーのカフェイン含有量は142㎎

モンスターエナジーとは?

普通なら飲みたくないようなデザインで売られているモンスターエナジーにはカフェインが含まれています。

子どもの乱用で問題になっているドリンクでもあります。

アサヒ飲料 モンスター エナジー 355ml×24本

そのカフェイン量は、1本あたり142㎎と言われています。

市販ドリンクや栄養ドリンクのカフェイン量

レッドブルが1本あたり80㎎のカフェインを含んでいます。

モンスターエナジーは142㎎ですので、エナジードリンクの中ではカフェインが多い方です。

ただ、世の中にはもっと多く含んでいるドリンクもあります。特に海外の品を手に入れた時には注意が必要と思われます。

逆に、リポビタンDなどドリンク剤は、カフェイン50㎎と少なくなっています。

コーヒーには、100g当たり60㎎のカフェインが含まれています。大きなコップなら120㎎くらいはカフェインを摂取することになります。

玉露にカフェインが多いのは有名ですが、160㎎/100mlと高濃度に含まれています。しかし、茶カテキンにより、カフェインの効果がでにくくなっているそうです。

カフェイン中毒

カフェインの取りすぎで、死亡例もあります。

疲れているからとか眠いからと言って、エナジードリンクを複数飲んだり、コーヒーやドリンク剤と併用するのはやめましょう。

カフェインの作用

カフェインは、アデノシンがアデノシン受容体に結合するのを阻害することによって覚醒作用を発現します。(カフェインはアデノシン受容体のアンタゴニスト)

アデノシン受容体は、ドーパミン神経系のシナプスの後ニューロンにあります。アデノシン受容体にアデノシンが結合すると、共役関係にあるドーパミン受容体が不活性化され、ヒスタミンの遊離を抑制、つまり、シナプスでの刺激伝達が抑制されます。

カフェインがあると、アデノシン受容体からの抑制がとれて、ヒスタミンの遊離抑制が解除されて覚醒するというわけです。(ヒスタミンが通常に遊離され、神経伝達がスムーズになります。)

カフェインの作用時間は、摂取後、40分から1時間程度で発現し始め、3-4時間後には半分ほどに低下すると言われています。持続時間は8時間から12時間とも言われています。(資料によって時間が異なるので個人差も大きいのではと思います。)

モンスターエナジー(カフェイン)とドリエルEX(ジフェンヒドラミン塩酸塩)を同時に服用したらどうなるか?

問題になったはじめしゃちょーさんの動画での企画ではドリエルEXの勝ち

はじめしゃちょーさんの動画では、睡眠改善薬のドリエルEXをモンスターエナジーで飲んで問題になってしまいました。私的には、薬学部の講義や学生さんたちの雑談でのこのはじめしゃちょーさんの動画に対する賛否はどうだったのか気になるところです。

さて、モンスターエナジーはカフェイン含有のドリンクで、ドリエルEXはジフェンヒドラミン塩酸塩を含む睡眠改善薬でしたが、どちらが強いかというのが今回の騒動の動画の趣旨でした。「ほこたて」みたいで私的にはとっても面白いと思うのですが…

結果は、はじめしゃちょーさんの検証では、寝てしまったため”睡眠薬の勝ち””という風になりました。ドリエルは睡眠薬ではありませんが、まあ、睡眠改善薬のジフェンヒドラミン塩酸塩の勝ちとなったという結果です。

ドリエルEXがモンスターエナジーに勝った理由

普通の人の場合、はじめしゃちょーさんのように、ドリエルとモンスターエナジーを飲んだ時にはドリエルの勝ちになります

これは作用機序を考えれば納得できると思います。

通常の状態ではドーパミン刺激によって覚醒効果が得られています。この覚醒は、実際にはドーパミン神経系の下流で遊離するヒスタミンによって維持されているのです。カフェインは、このドーパミン神経系の抑制をなくして、ヒスタミンを遊離させることによって覚醒作用を発現するのです。

ですので、ジフェンヒドラミン塩酸塩などの抗ヒスタミン薬でヒスタミンをおさえられてしまうと覚醒効果が得られないのです。カフェインは、ジフェンヒドラミン塩酸塩の眠気に対する拮抗薬とはなりません。

モンスターエナジーが勝つ場合はあるか?

ドリエルが「一時的な不眠症状に適応」となっているように、ドリエルを連続で飲むと効きにくくなります。ようは耐性ができてしまうのです。耐性ができてドリエルが効かなくなった人が、モンスターエナジーを飲んだら、どっちが勝つかわかりません。たぶん寝られなくなるような気がしますが、検証するわけにはいかないですよね…

花粉症薬の眠気にはコーヒーは効果がない

花粉症に抗ヒスタミン薬が使われることがあり、その副作用として眠気が知られています。アレグラなど第二世代の場合、脳内移行が少ないため副作用の眠気がでにくく、あまり気にしないで使っている人もいるかもしれませんが、眠気を感じる場合には運転や試験などの際に服用するのは注意が必要です。

そして、今回のはじめしゃちょーさんの検証のように、抗アレルギー薬を内服した後に眠気を感じた場合、眠気覚ましにとコーヒーやエナジードリンクを飲んでも効果がありませんので、注意が必要です。

 

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