ヒノキ花粉症

今年は去年の400倍?!

花粉症の方。
今年はヒノキの花粉飛散量が、昨年の400倍だそうです。
やっと杉が落ち着いてきたと思ったら、今度はヒノキが5月頃まで続きます。

花粉の飛散量の多いのはどこ?

ところで、都心に住んでいる方、近所に杉やヒノキが生えていますか??

実は花粉は100km以上の風にのって飛んできます。
都道府県別の杉花粉の飛散量は、5位が「静岡県」、4位が「三重県」、3位が「栃木県」、2位が「群馬県」、1位が「茨城県」なんだそうです。
上位三位が北関東ですので、東京の方は近所に杉の木はなくてもものすごい量の花粉攻撃を受けているのです。

田舎では花粉は、地面に落ちて自然に却っていきますが、都心ではそのまま舞い続けるのも花粉症の方が多い要因の一つと言われています。

杉林は関東に多く、ヒノキ林は関西に多く分布しています。

日本の花粉症の歴史

日本で始めての花粉症が報告されたのは、1961年ブタクサ花粉症でした。スギ花粉症が報告されたのは1963年、カモガヤが1964年、ヨモギが1969年。
結構、新しい病気ですね。

どうして北関東に杉花粉が多いの?

経済企画庁の1952年(昭和32年)年次経済報告によると、戦後、国内の木材需要量が森林の成長量を上回っていることから、成長量の少ない天然林を成長量の多い人工林へ林種転換して拡大する必要があるとしています。
1950年代 ~ 1970年代前半には、空前の住宅建設ラッシュにより国内の木材の需要が急激に増加しました。
このため、天然林を伐採した跡などに、スギ、ヒノキ、カラマツなどの建材となる樹木を植栽する「拡大造林」が勧められました。

どうして杉?

杉やヒノキは、加工しやすい、成長が早い、形質が建材に向いているために古くから利用されている我が国を代表する主要な造林樹種なのです。

昔から杉もヒノキもあったのに、現代人は弱い??

確かに杉もヒノキも昔から有ります。
ですが、拡大造林によって杉やヒノキに植え替えられた森林に、もともと杉やヒノキが生えていたわけではないのです。
さらに、1970年代後半から1980年代にかけて外材の輸入制限が緩和されたことにより、海外からの輸入量が急増しました。

木材の価格が暴落したために採算の取れない人工林の多くが取り残されました。
日本の森林面積は、約2510万haでその約4割にあたる約1,000万haが人工林となっています。
その中で一番面積が広いのが杉林、ついでヒノキ林となっています。
これらのスギ林では樹齢40~60年にあたるものがほとんどで、花粉を多く出す時期になっているのです。
つまり、昔よりずっと花粉の飛散量は増えているのです

花粉の少ない苗木に植え替える活動も行われていますが。

花粉症対策として、首都圏の杉やヒノキを花粉の少ない品種に植え替える活動も行われています。
しかし、神奈川、東京、埼玉にある人工林のスギやヒノキが花粉の少ない品種に変わるには約350年もかかるなんて試算もあるそうですよ。
国産の材木が売れないのであれば、当然人工林の手入れも行われず、結果材木は出荷できない。さらに、植え替えも行われないという悪循環になってしまっています。

花粉を吸いこまないために。

花粉症はアレルギーなので、体内にアレルゲン(花粉)を入れないようにするのが大切です。
花粉ってどのくらいの大きさなの?
スギ花粉:20~40㎛
ヒノキ花粉:30~40㎛
PM2.5:2.5㎛
インフルエンザウィルス:0.1㎛

市販のマスクにpm2.5のカット率が表記されているものがありますが、PM2.5より花粉のほうが大きいので、マスクの使用は花粉を体内に取り込まないために一定の効果が有りそうです。