貝毒

1日までに、大阪府、兵庫県、徳島県などの沿岸を中心に延べ56海域で、まひ性貝毒が規制値を超えて、出荷を自主規制していると農林水産省が公表したとの報道がありました。
この貝毒については、1993年以降最多となっており、昨年の同時期と比べても2.6倍のペースで増加しています。
農林水産省は、各都道府県に対して、注意喚起を徹底するように指示しています。

徳島県では、牡蠣から体重60キロの人がむき身1個を食べると死亡する恐れもある高濃度の貝毒を検出しています。
徳島県は、漁業者に出荷の自主規制を指導し、県民には潮干狩りで二枚貝を採らないよう求めています。
また、大阪府でも、国の規制値の42倍の毒性を持つアサリが見つかったほか、兵庫県西部で35年ぶり、岡山県東部で32年ぶりに貝毒が発生しています。
2018/5/1朝日デジタルより一部抜粋

春先に時々ニュースでみる『貝毒』って何だろう?

日本においては1970年代後半、貝毒による大規模な食中毒が東北地方を中心に発生し、食品の規制値が設定されました。
原因となる貝が毒を産生するのではなく、毒性をもつプランクトンを取り込み、体内に蓄える事が原因で一時的に毒性を持つようになります。

貝毒は症状により、4種類に分けられます。
1。麻痺性貝毒、
2。下痢性貝毒、
3。神経性貝毒、
4。記憶喪失性貝毒

神経性貝毒、記憶喪失性貝毒については日本での発生事例はないようです。

麻痺性貝毒
サキシトキシン、ネオサキシトキシン、ゴニオトキシン群などを原因として発症します。
食後30分程で口唇、舌、顔面などに痺れが発生します。
重症の場合は全身に麻痺が広がり呼吸困難で死亡することもあります。

下痢性貝毒
オカダ酸とその同族体のジノフィシストキシン群を原因として発症します。
食後30分~4時間程で、嘔吐、吐気、腹痛、下痢などの消化器系の症状が顕著にみられます。通常の食中毒と異なり、発熱は見られません。
死亡例はありません。

調理しても毒性はなくなりません。

貝毒は、外見からは貝の毒化は判別できず、加熱調理しても毒素はなくなりません。日本においては食中毒防止のため、原因となる有毒プランクトンの出現を監視し、重要貝類の毒性値を測定するなど定期的な検査を行っており、規制値を超えた場合には出荷が規制されます。
通常、流通している貝類については問題ないと考えられますが、
潮干狩り等では注意が必要です。各自治体や漁業組合がHP等で注意喚起の情報提供をしています。
お出かけの際は、目的地の情報をリサーチしてから出かけるのが良いかもしれません。