2018年 5月 20日の投稿一覧

白身と赤身の魚がいるけれど、ヒトはどちらなのだろう?

筋肉には白い筋肉と赤い筋肉が有ります。

良く引き合いに挙げられるのは魚です。
お魚にも、白いのと赤いのがありますよね。

それでは、人間は赤身でしょうか?白身でしょうか?

 

白身魚と赤身魚の違い。

一般に、あまり移動しない魚の身は白く、長距離を回遊するような魚は赤いモノが多いです。
筋肉が動く為には、エネルギーが必要ですがが、そのエネルギーの供給方式は大きく分類して2種類あります。

無酸素系
筋肉内に蓄えられたATPや、糖を燃料として使います。
筋肉に蓄えられるエネルギーが少量な為、短時間しか使えません。

有酸素系
酸素を使い乳酸や脂質を燃料として使います。
長時間の運動に対応できます。

赤い色の正体
体の中にある赤いものは何でしょう?
血液です。血液の成分である赤血球が赤色をしています。
赤血球は酸素を運ぶために、ヘモグロビンというタンパク質を含んでいます。
このヘモグロビンが赤色の正体です。

また肉の赤色は筋肉内に含まれるミオグロビンの色です。
ミオグロビンは、エネルギー産出に必要な酸素を貯蔵しておく役目をしています。

つまり、酸素が沢山必要な活動をしている魚は赤身になるということです。

 

鮭はピンク色だから中間なの?

実際にヒトの筋肉にも、白筋赤筋の他に中間の特性を持つものがあることが知られています。
『鮭は海で回遊するし、川を遡上したりもするから、中間のピンク色なのです!』
と、信じているヒトもいらっしゃるのではないでしょうか…。

分類上、鮭は白身魚になります。
食物連鎖によりアスタキサンチンという色素が、鮭の筋肉内に蓄えられ、鮭の身はピンク色になるのです。

人間は赤身?白身?

一般には、白筋と赤筋の比率がほぼ同じであると言われています。
下腿部では表層の腓腹筋が白筋、深層のヒラメ筋が赤筋など、部位によって違うことも知られています。
筋繊維の比率は年齢で変化しませんが、筋繊維の太さは環境で変化します。
短距離走の選手等は白筋が優位、長距離走の選手等は赤筋が優位であろうと予想できます。

赤身の筋肉が大切です。

体の中で、姿勢を保っているような筋肉はどちらの筋肉でしょうか?
姿勢を保っている筋肉は、無意識下で長時間働き続けるような動きをしますので、赤筋であろうと考えられます。
近頃では『インナーマッスル』と呼ばれているような、これらの筋肉を鍛えることで、
腰痛等、慢性痛の予防ができます。
疲労することで、うまく働けない状態が痛みにつながりやすくなるためです。

 

 

 

 

パフォーマンスを向上する、腰痛の予防にも、体幹の筋トレが有用です。

exercise ball

体幹を鍛える。

スポーツ選手のパフォーマンス向上、腰痛の予防に体幹を鍛えるトレーニングが推奨されています。
体幹が安定するとパフォーマンスが向上する?
人間の体は単純な構造ではなく、一つの動作にも様々な関節がお互いに相互しあって動きます。
例えば右手を前に突き出してみて下さい。
肩の関節は上がり肘は伸びますよね。前腕の回旋も入ります。
手を前に出せば、重心が移動しますので、バランスをとるために無意識に脊柱回りの筋肉や、立っていれば足の筋肉も動きます。

体幹は体の中心部で上半身と下半身の動きを繋ぐ役割をしています。

人間は二本足で立ち、二本の腕を動かしますが、中央にある脊柱は一つです。
ここが体幹ですね。

手足の運動が体幹でつながります

体幹をねじるようなスポーツをしていると、『』とか『』という風に表現されたりもします。
背骨はS字状に曲がっており、椎間板というクッションが挟まっているバネのような構造をしています。
これは衝撃を吸収する為に重要な役目を果たしています。

しかし逆に、例えば足の力を上半身の動きに連鎖させたい場合などには、運動エネルギーを衰退させてしまう、エネルギーをロスしてしまう構造でもあります。
最適なパフォーマンスを発揮する為には、力を伝えたい部分はしっかり固定してロスが無いようにしなければなりません。
上半身の力を下半身に伝える、下半身の力を上半身に伝える。このときに体幹の筋肉は非常に重要な働きをしています。

筋肉がきちんと働くために必要な要素

筋肉がしっかりと働くには2つの重要な事が有ります
1つは、筋力がある事
これは筋力が強くなることで、しっかり目的の部分を固定したり動かしたりできるようなことですね。
2つ目は効率よく(うまく)使える事

筋力だけが有っても、必要な時に使えなければ意味がありません。

これらは二つとも運動をすることで鍛えることができます
運動は、筋肉を動かす神経も鍛えることが重要なのです。

運動のロスをなくすことで、負担や無駄を減らす。

上手に体を操作できることで、運動のロスは少なくなります。
運動のロスを少なくすることで、スポーツではより高いパフォーマンスを得られます。
普通の生活であっても、関節や靭帯にかかる余計な負担を減らせます。

余計な負担を減らすことは、腰痛等の痛みの予防につながります。

できる事を少しずつ増やしていきましょう。

痛みのある部分を無理に動かす必要はありません。
等尺性の運動という、アクションを伴わない運動も有りますし、バランスボールのような不安定な場所で正しい姿勢を保つようなモノも立派な運動です。

どうしても辛いときは、姿勢を良くして、お腹をへこめる。
腹式呼吸をしてみる。など

状態に合わせて、少しづつ動いてみましょう。