松阪市内を流れる阪内川には多くの堰が有ります。

松阪こた堂接骨院の前を流れる阪内川。
阪内川は伊勢三山のひとつ、白猪山に源流を発する二級河川です。
松阪市の中ほどを横切り、伊勢湾に向かい流れています。
周辺の水田の用水として使われるため、堰が多く夏場には水の流れがほとんどない状態になります。
松阪こた堂の近所にも、堰があります。

堰の中には一体なにが入っているのだろう?

ゴム製の風船?が川の中央で区切られて2本、普段は膨らんで小さなダムのようになっているのですが、増水時などはペシャンコになって水を流しています。

今まで、堰の中には水が入っているのだと思っていたのですが。
夏場、水があまりないのに、どこからこれだけの堰を膨らます水を持ってくるのだろう?
畳むときは、どこに水を流しているのか?
ふと疑問に感じました。

円柱状の堰の正式名称はゴム引布製起伏堰というそうです。

松阪こた堂の近所にある、風船のような堰は正式には『ゴム引布製起伏堰』というそうです。
袋体と呼ばれる、ゴム引布製のチューブに、空気や水を送りこんだり、排出したりすることで起伏させます。
構造は単純でブロワーやポンプのような少ない機械で操作でき、倒伏動作は貯めた水の重量で行うことができる為、動力は必要としません。
単純な構造のため、設置やメンテナンスにかかる費用を安く抑えることができるのが特長です。
日本においては1965年より各地に導入されているそうです。

なるほど、空気を入れる方式と水を入れる方式あるのですね。
確か堰の横に、小さなポンプ小屋のような建物が有ったハズ。

もう一度、堰を見に行ってみました。

堰の真横、土手の上に小さな小屋が有ります。
その小屋のドアの横に銀のプレートを発見しました。
阪内川三郷井堰
規模   高サ1.8mx河床幅250.5mx2連
型式   空気 膨張式
設置年月 昭和60年6月
管理者  阪内川三郷井堰水利組合
制作   ・・・
ちゃんと『空気膨張式』とかいてありました。

子供の頃からしょっちゅう通った場所なのに、堰を上げた後の取り残された生物にしか興味がなかったので、全然気が付きませんでした。

どうもこの小屋に機械があって、必要に応じて水利組合という組織が堰を膨らませたり放水したりといった操作をしている。ということですね。

水利組合ってなんだろう?

明治時代に農業用の灌漑事業や水害防止事業等を行うために、全国各地に水利組合が設立されました。
1949年に農業利水関係のうち比較的規模の大きなものは、現在の土地改良区(愛称:水土里ねっと)へと変わりました。
現在残っている水利組合は、多くがボランティア的に地域の水害予防のための活動を行っている組織組合です。

阪内川の三郷井堰はもう30年以上もそこにある古い建造物ですが、コッソリ市民の安全を守っていたんですね。